変わらないもの
仕事を大慌てで片付けて駅前のスターバックスに駆け込むと
パソコンを開いて取引先に電話をしている彼の後姿が目に入った。
2ヶ月ぶりの彼は、グレイの秋ジャケットを羽織り、髪も少し短くなっている。
先回会ったときは、Tシャツから覗く日焼けした真っ赤な腕と海水浴で痛んだ髪に触れていたのに。
そんな姿に離れた場所でお互いが通過した季節を感じ、少しだけ切なくなった。
でも、電話を耳元に当てたまま
わたしを見つけてふわっと笑うその顔は
わたしの好きな顔そのもので。
子どものような屈託のない笑顔で
自分の隣の席をとんとんと示す仕草が愛しくて。
季節なんて飛び越えて、あなたの隣へ一目散。
変わらないものはここにある。